日常組について考える会

日常組のファンです。ニチニチ

日常組における「変化」について考える

3.日常組における「変化」について考える


ダウンタウンという芸人は、約40年以上にわたって芸能界の第一線で活躍している。
ピンでもコンビでも、還暦を迎えた今でもテレビをつければ見ない日はない。

 

先日、そのダウンタウンがMCを務める『ダウンタウン vs Z世代 ヤバイ昭和 あり?なし?』という番組があった。
平成生まれの私は昭和の常識に驚くばかりであったが、よく考えると昭和というのは”たった数十前“の話だ。
つまり”たった数十年”で、常識や価値観というのは「変化」してきた。

特にこのインターネットが発達した現代社会においては。

 

そんな「変化」の激しいこの40年間、ダウンタウンがなぜいまだに第一線で活躍しているかというと、やはり時代の「変化」に合わせる柔軟性があったのではないか。
ダウンタウンに限らず長年活躍しているのは、その「変化」する時代の常識や価値観に合わせた芸をやりつつ、かといって時代に迎合しすぎない自分たちの信念も持ち合わせる、そんな人たちなのではないだろうか。

 

 

時代とともに自分たちが「変化」するのはワクワクすると同時にこわいものでもある、と私は思っている。
結果的にうまくいけばいいが、それによってこれまで積み上げてきたものが崩れるんじゃないか。
変わったことで、これまでのファンが離れていくんじゃないか。
変わったことで、人間関係が壊れてしまうんじゃないか。
芸能界でもYouTube界でも一般社会でも、本当は現状維持の方が楽なものだ。


>2012年3月9日より投稿された、メンバーのぺいんと、しにがみ、黒猫のノア(クロノア)によるマインクラフトの実況動画『マインクラフターの日常』にて知名度を上げた。
(『日常組 - ピクシブ百科事典』より)

 

2012年…今から10年以上前、当時中高生だった彼らは「マインクラフターの日常」として活動していた。

その後トラゾーさんも加わり『日常組』と呼ばれるようになった。

YouTubeをたどれば10年前の動画も出てくるので拝見してみたが、とにかくみんな若い。

ぺいんとさんはあまり騒がないし、しにがみさんは声が低いし、クロノアさんは今より全然しゃべらない。
やっていることもシンプルに「マインクラフトをプレイしている」というもので、今のように企画めいたものは少ない。

 

私はファン歴1年にも満たない新規のファンなので、日常組がどのように変化していったのかリアルタイムで知っているわけではない。
ただ、トラゾーさんという新しいメンバーが加入したり、休止期間だったり、スキンやアイコンが変わったり、歌を出してみたり、この10年の間にいろいろな分岐点があったことは想像できる。

それでも、どの分岐点でも彼らは「ファンを喜ばせるにはどうしたらいいか」「どうしたら視聴者が楽しんでくれるか」を念頭に置いてきただろうし、その配慮が見えるからこそこうして10年以上も活躍していると感じる。

 

 

オードリー若林さんの先輩芸人の方が、こんな名言を残している。

 

=====

 

[ 時代は車で芸は雨だ ]

高速道路を走っている車は「急に雨が降ってきた」と思うが、これは違う。
元々雨が降っていたところに「自分の車が向かっていった」というのが正しい。

芸も同じだ。

つまり、時代(車)に芸(雨)を当てたいのであれば、時代(車)の少し先で常に振り続けていなければならない。時代(車)が後からやってくるから。
時代(車)は常に前に進む。
無理をして雨に当たろうとしても、遅れをとってしまう。

 

=====

 

日常組や冒頭のダウンタウンが長く活躍しているのは、「雨(芸)」を降らせる場所を少しずつ変え、「車(時代)」にうまく当てているからではないだろうか。

 

もちろん「昔の日常組が良かった」という意見も見かける。

どんなコンテンツでも「昔の方が良かった」という人は一定数いる。
長年活躍しているグループの宿命だ。


でも、それは「変わってしまったコンテンツ」が悪いわけでも「昔が良かったというかつてのファン」が悪いわけでもない。
ただ、雨が降る場所が変わってしまっただけだ。
もしくは雨の降る場所は変わらないのに、自分が乗っている車が雨の降らないところに進んでしまっただけかもしれない。
成長や環境の変化とともに自分の中の価値観が変わるのは当然のことだから。

 

 

私は日常組ファンとして、4人がおじいちゃんになるまでその活躍を見ていたい。
今回のように夏休みも取り入れつつ、休むときはしっかり休み、いつまでも健康でいてほしい。

 

雨の降る場所が変わっても、「みんなを楽しませたい」というサービス精神と、4人がいつまでも友達であるということだけは変わらずにいてほしいと切に願っている。

 

 

2023.9.1 アルク

日常組における「クロノアさん」について考える(1)

2.日常組における「クロノアさん」について考える(1)

 

「リーダー」と呼ばれる人には大きく2種類あると考える。
ひとつは、自らが先頭に立ちメンバーをぐいぐい引っ張っていく「先頭タイプ」のリーダー。
もうひとつは、後ろから広い視野でみんなを支える「後方支援タイプ」のリーダー。

 

クロノアさんは「後方支援タイプ」のリーダーだろう。

トラゾーさんの言う「リードを持ってる人がリーダーですからね」(『日常箱ラジオ12限目』より)はそれを表している。
クロノアさんは日常組の中でも最年長なので年齢的にリーダーになった部分ももちろんあるだろうが、彼を知れば知るほどこの人を満場一致でリーダーにして間違いなかったことがわかる。

 

 

クロノアさんはどんなときも冷静である。
特にわかりやすいのは脱獄・白昼夢など長編シリーズでの振る舞い。もともとホラーゲームの類が好きらしく大騒ぎするイメージもないが、七味兄弟(ぺいんと・しにがみ)が「どうしよう」「やばくない?」とあたふたしている場面でも、クロノアさんだけはいつもブレない。
「鍵は回収してる」とか「今こういう状況だから〇〇に行こう」とか、クロノアさんがいることで他のメンバーが落ち着く場面も多々ある。


ちなみにブレないのはメンタルだけではななく、ピッチング能力も完璧であったことは記憶に新しい。(『マイクラ白昼夢#10 僕たちの部屋に隠された秘密?』より)

 

一方、よくリーダーと間違われるぺいんとさんの性格は「先頭タイプ」だ。
行きづまったときは彼の「行こう!」という一声で士気が高まるし、「俺が行くしかない」と自己犠牲もいとわないところもリーダーっぽくはある(PKST団では実際にリーダーであるし)。


ただ「先頭タイプ」は”リーダー以上に冷静なメンバーでそろっている場合”にその真価を発揮すると思う。
日常組というクセモノぞろいのグループの場合は、「先頭タイプ」のリーダーではまとめるのが大変である。
これもまた『日常箱ラジオ12限目』で語っていた通りだが、ぺいんと・トラゾー・しにがみというコントロール不可能な猛獣たちを操れるのは、どう考えてもクロノアさんしかいない。
リードを持って散歩させるのは、クロノアさんにしかできない。
「ぺいんとは王様で、唯一たじろぐのがクロノア」という非常にわかりやすい構図の通り、クロノアさんの前では猛獣たちもひれ伏す。

 

『クレーンゲームに捕まっちゃった』にて、猛獣の3人からリーダーへ感謝状が送られた。


ぺいんと「日常組の面倒くさい請求書類の事務作業を文句も言わずにいつもやってくれて本当にありがとう」

しにがみ「いつもゲームを一緒にやる時 ポジティブな言葉をかけてくれて本当にありがとう」

トラゾー「日常組に入りたてでよく分かってない時 自ら歩み寄り色々誘ってくれました 本当にありがとう。僕が女だったら付き合ってます!」

 

「トラゾーさんが付き合いたくてもクロノアさんにも選ぶ権利があるんだよなぁ…」と思ったことはさておき、3人が普段からクロノアさんを信頼していて、お互い支えあっている良いチームだなと感動した。

さてそれに対してリーダーから猛獣たちへの返事は、「ざまぁ」の3文字であった。

 

さらにクロノアさんは王道の「いい声」、いわゆる「イケボ」の持ち主でもあり、その声で話すことはより説得力を増す。
デューク大学とカリフォルニア大学がおこなった調査で、企業のCEOの声が低ければ低いほど年収が高く会社規模も大きい傾向にあるという結果がある。
低い声の周波数は、人々をリラックスさせる効果があるそうだ。
(『なぜ「いい声」は信頼される?仕事と密接に関わる「声」の正体(https://hatawarawide.jp/kininaru/230407-1』より)

 

冷静で周りをよく見ていて、「いい声」で優しく声をかけ、裏の仕事もきっちりやるまじめさもある。
クロノアさんはそんな素敵なリーダーを務めている。

 

 

リーダーといえば「かっこいい」が、クロノアさんは2代目「かわいい」担当でもあるそうだ。
上記の通り散々「リーダー論」を語っておいて矛盾しまくるが、たまに「この人大丈夫かな」という天然さが感じられるのもクロノアさんの魅力。

 

自由気ままで気づいたらいなくなっているのは、まさにネコそのもの。

正式名称が黒猫のノアだったことを思い出す。

変なところでひっかかったり落ちたり、味方に誤射して威嚇したり、「かわいい」と言われて照れたり。
基本的にあまり積極的に話そうとはせず、話(特に下ネタ)をふられても「…え?」で終わらせるふわふわとした雰囲気がある。
「かわいい」とか「癒し」と言われるのは、このほのぼののんびりとしたやわらかい草原のような佇まいによるものだろうか。
これは個人的な意見だが、同じくグループのリーダーである嵐の大野さんに近いかもしれない。

 

 

クロノアさんは博識だ。
一番有名な「訝しむ」をはじめとして、「瓦解」「牛歩」「寸刻前」「物々しい」などたくさんの「いや日常会話でそれ使う人いる⁉」と驚くワードが出てくる。
その語彙力の豊富さから、おそらく普段から本をよく読む人なんじゃないかと思う。
ゲーム実況者は熱心に取り組むあまりときに過激な発言をしてしまうことがあるが、クロノアさんはその言葉遣いの丁寧さから品があるようにも感じられる。
(過激な発言をするタイプの実況者の方もそれはそれとして面白いと思っているので悪しからず)

 

トラゾーさんも特に歴史分野で知識豊富だが、国語の分野においてはクロノアさんが一番賢いのではなかろうか。(※あ、あと算数もたぶんクロノアさんの方が賢い)


難しい言葉を使うと「訝しポイント」が入るシステムになっているので、いつか日常組のチャンネルにあがっている動画をすべてチェックして「訝しポイント」が何ポイントたまるか集計したいところだ。

 

 

※本当はこれ以外にも「黒幕のノア」とか「焦りのクロノアさん~ウワワチョチョパッツ~」とか書く予定でしたが、さすがに長文となったため割愛。(デジャヴ)

 

猛獣たちの手綱を握るクロノアさんは、日常組の絶対領域であり絶対に欠かすことのできないリーダーである。

 

 

2023.9.1 アルク

日常組における「トラゾーさん」について考える(1)

1.日常組における「トラゾーさん」について考える(1)

 

YouTuberは演者。
視聴者を楽しませるために、多少の演技をすることもある。
特に日常組は「即興コント集団」を自称しているだけあって、4人ともショーとしての演技はかなりクオリティが高いと思う。

 

中でもトラゾーさんは異質。
日常組の代名詞ともいえる盗賊・脱獄シリーズでは、長編大作ということもあり複数のキャラクターが登場する。
そのすべてをトラゾーさんが一手に引き受けている。
特に看守の3人はキャラの見た目や年齢も同じぐらいで、演じ分けが大変そうだ。

 

看守にしては穏やかで優しいステイサム。
看守にしては適当で親しみやすいスティーブ。
看守にしては……、いや、看守とはいえ厳しすぎるリアム。

リアムが来ることを知ったぺいんとさんとクロノアさんがわかりやすく嫌がっている様子を見ると、その厳しさは理不尽ともいえるレベルだと想像できる。

 

”リアム看守は本当にいるかもしれない”
トラゾーさんは単に演技が上手いというだけではなく、3人と私たち視聴者をこの世界に没入させるためにキャラを徹底している。
脱獄1では「トラゾーさんっぽさ」がまだ残っていたが、回を追うごとに「トラゾーさんっぽさ」はなくなっていく。
普通なら笑ってしまうところも「リアムは笑わない」場面なら絶対に笑わないし、「ゴルゴンなら皮肉を言う」場面なら即座に嫌味で返す。
3人からメタ発言が飛び出てもトラゾーさんは必要以上にそのラインは超えない。
その世界観に合わないワードはうまくかわし、行き過ぎた悪ふざけはきちんと”看守として”罰する。

 

先日「白昼夢」シリーズが完結した。
これもまた面白くて私は毎日のように鬱陶しいほどツイートしてしまったが、ここでもいくつかのキャラが登場している。
和テイストのジャパニーズホラー感があり脱獄とはまた違った面白さがある。
たまにガチガチにホラーな場面もあるので要注意だが、ぜひ全編通して見てほしい。宣伝。

 

ある時は領主の仮面を、ある時は看守の仮面を、ある時は執事の仮面を、ある時はおばあちゃんの仮面を。
いくつもの仮面を即座に付け替え自身に憑依させる、トラゾーさんの魅力のひとつである。

 

 

トラゾーさんは脚本家でもある。
脱獄シリーズを題材にした、コミックアルナで連載中の『日常ロック』はトラゾーさんが作った物語。

 

もともと盗賊・脱獄もトラゾーさんの台本で、3人はアドリブで動いているそうだ。
……ということはいくら台本を決めたところでその通りに進むとは限らないし、会話のやり取りによっては大きくかけ離れた物語になる場合もある。
それを軌道修正するのは誰か。
台本を担当しているトラゾーさんだ。

特に、30日経過するまでに…30分以内に…といった制限時間付のミッションだとどうしても想定しているオチに行かない場合もある。
そんな場合でも自然に、違和感なく、齟齬がないように次に繋げるためにはかなりの神経を使うはずだ。

ぺいんとさん達との会話でも、違和感のあることを言わないように、さらにそのキャラならどういう言い方で返すか、用心しながら返答している様子がうかがえる。

 

ここ最近で一番印象的なのは『マイクラ白昼夢 #5 謎の鬼に話しかけてみた』にて執事の五十嵐さんが「学(まなぶ)さん」だと判明した場面。
電話で五十嵐さんに「がっちゃんと呼んでもいいか」とふざける七味兄弟(ぺいんと&しにがみ)に対し、「そのようなお戯(たわむ)れを旦那様に見られてしまった場合怒られてしまいますので」とがっちゃんは返答している。
あくまでも客人である3人に、失礼のないよう丁重にお断りしている。
確かにベテランの執事ならこう返すはずだ。
それを即座にやってのけたトラゾーさんに心底感心した。

あれをやりつつこれもやりつつ……、いくつものタスクを同時にこなすトラゾーさんは、脳みそCPUが高性能である。

 

さて散々演技力を褒めた後に書くのもアレだが、トラゾーさんの活舌が覚束ない時が多々ある。甘噛みは多数。
それがまたいい塩梅でもある。
怖い怖いリアム看守や、貫禄のある時雨源一郎がセリフを噛むと若干ほっこりした空気が漂う。
(実際に笑ってしまうとリアム看守からのキツイ罰(八つ当たり)があることは言うまでもない)

例:「植えられにゃにな」(『マイクラ脱獄 #6 もしかして、都市伝説の人?』より)
例:「”身おぐき”がとれなくなったとか」(『白昼夢 #2 目が覚めると皆が消えていた』より)

しっかりしてそうで天然なところは、T&Kの共通項か。

 

 

トラゾーさんはぺいんとさんを愛していて、何かと「ぺいんとぺいんと!」と呼ぶ。
ぺいんとさんが集中しているときでも関係ない、呼びたいときに呼ぶ。
ぺいんとさんは「トラゾーは会話を被せてくるからテロップの編集が大変」だと言っていた。確かにそんな気がする。面白い。
まるで母親に「お母さんお母さん聞いて聞いて!」と目を輝かせる少年のようである。

 

少し話は脱線するが、私は社会人8年目の会社員。
最近特に感じるのは、この年になるとトラゾーさんのような「おい、元気ないけど大丈夫か?飯行こうぜ!」と誘ってくれそうな人が、いかに貴重かということ。
フットワークも軽く、友達のドッキリのために東京から愛知まで車を飛ばしたのは、やっぱり今考えても行動力がすごい(『突然ですが、ドッキリしてください』より)。

そういう地元の友達のようなノリが、ぺいんとさん、クロノアさん、しにがみさんにとっても心の拠り所になっているのかもしれない。

きっとトラゾーさんは「みんなを楽しませたい」といういつまでも変わらない少年のような心で、私たち視聴者にもワクワクと親近感を与え続けてくれるだろう。

 

※本当はこれ以外にも「いなりさんへの愛~光属性トラゾー~」とか「ダイヤお兄さん」とか書く予定でしたが、さすがに長文となったため割愛。

 

トラゾーさんは後から加入した4人目のメンバーだが、日常組というコンテンツの知名度をさらに上昇させた立役者なのだ。

 

 

2023.9.1 アルク